現在、事務として小企業に務めてます。事務の人数は私と先輩の2人です。東京でやりたいことや、ビジネスマナーがしっかり学べる会社に行きたいと思い、12月仕事を辞めて転職、上京をしようと考えています。
しかし、先輩が妊娠し、現在妊娠4ヶ月目で先輩も12月で仕事を辞めることを考えていました。先輩は社長にその意思を伝えていますが、「できればパートで働いて欲しい」と言っています。私は仕事を辞める意思をまだ伝えておらず、遅くても10月に伝える予定です。
今の状況で辞めることは可能でしょうか?
東京での“やりたいこと”が年齢が若い方が有利なのでなるべく早く仕事を辞めたいです。お手数おかけしますが、回答していただいたら幸いです。よろしくお願いします。
(相談者:ひなこ)
ひなこさん、はじめまして。
くよくよRoomにご相談いただき、ありがとうございます!
くよくよRoomアドバイザーの律子です。
2人しかいない事務担当が、両人ともに同じ時期に辞める状況を考えてみると、人手不足の会社にとっては頭を抱える問題ですね。
だからといって会社に気を遣い働き続けて、自分の夢や目標が先送りになってしまうことだけは避けたいですね。
辞められない仕事はない
結論からいうと、どんな状況でも辞められない仕事はありません。
なぜなら、人手不足は会社の責任だからです。
ですから、ひなこさんは会社を辞めることに対して過剰に後ろめたく思ったり、自分のやりたいことを辛抱する必要もありません。
ただ、なるべく周囲に迷惑をかけず、円満に退職したいのが本音ですよね。
自分が辞めたらどのような影響が出るのか、そのための対処法は考えておかなくてはなりません。
まず、ひなこさんが抱える不安点を整理してみましょう。
◆ひなこさんは仕事を辞める意思はまだ伝えていない
◆社長が妊娠を理由に辞める先輩に対し「できればパートで働いて欲しい」と懇願するほど、事務仕事はひっ迫している(深刻な人手不足)
このような状況では、社長や直属の上司に必死に引き止められるのが目に見えています。
「先輩が辞めることを知っていながら、自分も同時期に辞めるなんて配慮が足りず申し訳ありません」と恐縮しながら辞意を伝えることは、とても気力と労力がいることです。
強力な引き止めに屈しないためには、自分の退職・転職プランをしっかり整理し、退職の準備を万全にしておかなくてはなりません。
これらの不安に考慮した対処法をご紹介します。
転職先が決まってから会社を辞める
ひなこさんは、もう既に転職先は決まっているのでしょうか。
相談文にあった以下のプランを実現するために、転職活動をはじめたところでしょうか。
▼ひなこさんの今後のプラン
◆ビジネスマナーがしっかり学べる会社に行きたい
◆12月に仕事を辞めて転職・上京をしようと考えている
◆東京での「やりたいこと」が年齢が若い方が有利なのでなるべく早く仕事を辞めたい
今後のプランを踏まえてアドバイスすると、ひなこさんには今の会社で働きながら転職活動をはじめて、転職先が正式に決まったら会社に辞意を伝えることをおすすめします。
仕事が決まっていないまま上京するということは、無職で収入がない状況で家賃や生活費に追われながら転職活動しなくてはならないからです。
ひなこさんが希望していた会社から採用をもらえなかった場合はどうするかなど、さまざまな想定をしてしっかり準備しておかなくてはなりません。
上京早々、路頭に迷うようなことは避けたいですよね。
やりたいことに対して、即行動できることは、ひなこさんにとって最強の強みです。
しかし、会社をできるだけ早く辞めたいというひなこさんに、転職先を決めずに退職するリスクを知ってもらった上で、退職準備をはじめてもらいたいと思います。
そう思う理由については「退職と転職、どちらが先?」をご覧ください。
辞意は早めに伝える
上司に退職の意向を伝える前に、会社の就業規則を確認しておきましょう。
一般的には、最終出社日の1~3カ月前までに伝えるという規則を定めている企業が多いようです。
会社を退職することは労働者の自由ですが、予告もせず、いきなり会社に行か
なくなるというようなことはルール違反です。退職の意思を上司に伝え、書面で届
け出る、仕事の引き継ぎをするなど社会的ルールを守って辞めることが大切です。
一般的に就業規則等に「退職する場合は退職予定日の1か月前までに申し出るこ
と」というように定めている会社も多いので、就業規則で退職手続がどうなっている
か調べることも必要です。
また退職の申し出にあたっては、契約期間の定めがある労働契約を結んでい
た場合と、そうでない場合とで法律上異なったルールが定められています。
正社員などのように、あらかじめ契約期間が定められていないときは、労働者
は少なくとも2週間前までに退職届を提出するなど退職の申し出をすれば、法律上
はいつでも辞めることができます(会社の就業規則に退職手続きが定められてい
る場合はそれに従って退職の申し出をする必要があります)。
アルバイトでよくあるように、3か月間などあらかじめ契約期間の定め
(有期労働契約)がある場合であっても、法律上、やむを得ない事由がある
ときは、労働者は、直ちに契約の解除をすることができます。引用元:知っておきたい働くときのルールについて 厚生労働省 労働基準局 監督課 第4章 仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき 1 仕事を辞めるには(退職)
2週間前までに退職の申し出で法律上はいつでも辞めることができるとありますが、現実問題これでは円満退職は望めないです。
相談文には、辞意は遅くても10月に伝える予定だとありました。
事務担当がいなくなってしまう状況を考えても、もっと早めに辞意を伝えた方がよいでしょう。(転職先が決まっている場合)
なぜなら人手不足の小さな会社の場合、新しい人材を募集・採用する期間や、新人研修・引継ぎにかかる期間も考慮しなくてはならないからです。
「勤務地が駅から遠い」「事務作業が複雑で研修に時間を要す」などの理由から、求人募集をかけても思うように人材が集まらない会社にとって、戦力を確保するまでにかなりの時間と労力が必要になることが想定されます。そういった会社は、遅くても2~3カ月前には辞意を伝えてほしいと考えているはずです。
だからといって会社を辞めることを諦めることをはありません。
有給休暇の消化はもちろん、退職日や入社日など綿密な転職のスケジュールを立て、早めに辞意を伝えましょう。
引き止められた時の対処法
仕事を辞める先輩に対して「できればパートで働いて欲しい」とお願いするくらいですから、ひなこさんも辞意を伝えれば「辞めないでくれ」と引き止められることを想定しておかなければなりません。
「辞める時期を延ばせないか。新しい人に引継ぎをしてからにしてくれ」と要求される可能性もあります。
今は入社日を考慮してくれる企業も多いので、先輩と同時期の12月に退職することは避けて2月入社などという選択肢も視野に入れて動いてみてもよいかもしれません。
繁忙期は避ける
退職希望日や直属の上司に辞意を伝える時期に配慮しましょう。
一般的な例でいうと「繁忙期」や「一大プロジェクトが佳境に入っている時」などです。
大きな仕事が終わった後に、退職希望日を設定したり辞意を伝えることで受け入れやすくなる傾向があります。
しかし「会社はいつでも忙しいし、そんなタイミング図れない」という場合には、怒られたり嫌味を言われたりすることを覚悟し、辞意を貫いてください。
前向きな退職理由を伝える
「もう転職先は決まっているのか」と聞かれると思いますが、その際は「前向きな退職理由」を伝えてみてください。
「上京してこんなことをチャレンジしていきたい」という熱意を伝えることで、上司や同僚は「ひなこさんを応援しよう」という気持ちになるものです。
また、転職先や上京する日が決まっていれば、強引な引き止めも回避することができます。
転職先など今後の詳細を伝えたくない場合には「ずっとやりたかった〇〇系の仕事に就けたので上京します」など、さらりと交わしてよいです。
万全な引継ぎをアピール
引き止められる大きな要因は「事務2人がいなくなってどうなるのか」「誰がやるのか」「事務作業はわからないぞ」という不安からですよね。
抱えている問題を解消・改善できれば、辞意は受け入れられると考えます。
まずは、不安点や退職日までにやるべきことを洗い出してみましょう。
◆今まで事務担当2人で行っていた業務を誰に、どのくらいの期間で引き継ぐのか
◆残っている仕事は片づけられるのか
◆引き継ぎの必要な業務の洗い出し
◆仕事をしながらの引継ぎ業務(1カ月)
◆マニュアルの作成(新人や事務担当以外メンバーが見れば分かるマニュアル)
これらの問題点に対する対処を明確に示すことで、上司や同僚の不安な気持ちを軽減するとともに、責任を全うする姿勢から揺るぎない退職の意志を示すことができます。
ひなこさん、小企業ならではの雰囲気やルールなども考慮し、転職・退職の準備をはじめてみてください。
上記の対処法が、少しでも辞意を伝える勇気になればうれしいです。
くよくよRoomはひなこさんの夢を応援しています!