律子さん、はじめまして。いつも他の社会人の方の悩み相談を読ませていただいています。
私は今年の4月に入った新卒なのですが、実は既に仕事を辞めたいと思っています。
入って約3ヶ月程度で辞めようと思ってしまうのは甘いというのは分かっているのですがどうしても今の会社にいる気分になれません。
私は会社に残るべきなのでしょうか。辞めるとなった時のメリットとデメリットがあれば教えて下さい。
(相談者:ジュース)
ジュースさん、はじめまして!
いつもくよくよRoomをご覧いただき、ありがとうございます!
くよくよRoomアドバイザーの律子です。
私のご近所さんにも新卒の女の子がいました。5月のGW中にばったり会った際に『会社どう?』と声を掛けたら、『入社したばかりだけど、もう辞めたい。辛い。』と嘆いておりました。彼女やジュースさんのように、新入社員が会社環境に適応できず、GW明け頃から五月病のような症状が出てしまうケースは少なくないようです。
ジュースさんが、入社約3ヶ月で会社を辞めてしまいたくなった主な要因は何でしょうか?想定される要因を考え、まとめてみました。
新卒でも会社を辞めてもいい2つの理由
私は、基本的には『会社を辞めたいのなら、辞めたらいいよ』と思います。
会社行くのが憂鬱で、心身ともにすり減らす毎日を無理して送り続ける必要はないからです。
以下2つのような理由であれば、たとえ入社して間もないとしても『会社を辞めるという決断』について真剣に考えることをおすすめします。
1. 入社した会社がブラック企業だった
- 長時間のサービス残業は当たり前
- 個々に与えられたノルマきつく、売れない商材は自分で購入しなくてはならない
- 悪質ないじめ・しごき・暴力がある
このように、企業の実態を把握せずに入社した会社が『ブラック企業』だった場合には、できるだけ早く脱出しましょう。
こうような状況下で無理して働き続けることは、過酷な労働環境を強いられるだけでなく、尽力した結果がブラック企業に加担する、貢献することになってしまう可能性があるからです。
2. 体力的にもたない
- 引っ越し業者で、毎日かなり重たいものを持ち、腰に違和感がある
- 飲食業の店長で、アルバイトが休むとそのシフトの穴埋めに働くため、長時間勤務・休日出勤が当たり前
- 工場勤務で、ベルトコンベアに流れてくる商品の品質管理中、めまい・吐き気に襲われる
実際に働いてみて、自分には『体力的にもたない』『体力的にきつい』という場合は、自分に合った新しい職場を検討しましょう。健康第一、自分が今の会社で5年先も元気に働けるのかを考えてみてください。
辞める前に!考えてほしい3つの理由とその対処法
前項では『入社した会社がブラック企業だった』『自分には体力的に無理のある仕事だった』という場合には、会社を辞めることを考えましょうという話をしてきました。
しかし、転職についての相談を受けている中で『それが理由で辞めちゃうのはちょっと勿体無いんじゃないかな?!一旦冷静に考えてみよう!』とアドバイスすることが多くあります。
辞める決断の前に、見つめ直してほしいと思う3つの辞めたい理由は以下の通りです。
1. 仕事内容に不満
自分の希望していた部署に配属されなかったり、頼まれる仕事は単純作業ばかりで入社前に思い描いていたようなやりがいを感じる仕事ができないと、『仕事を辞めたい』という気持ちが強まります。一方、イキイキと仕事をしている同期の姿を見ると焦りや嫉妬が生まれ、自己嫌悪に陥って辛いと感じることも多いようです。
対処法
ただただ単純作業をこなす人に比べて、単純作業の意図をしっかり把握し、工夫を凝らすことを考えながら作業を進められる人は『つまらない仕事』も『やりがいのある仕事』に変えられるのです。憧れていた華やかな部署や同期を羨むのではなく、任命された部署で任された仕事を懸命にこなす、今は将来の基盤となることを習得する期間なのではないでしょうか。
2. 仕事ができない
自分には不向きな仕事だと気づいたり、想像以上に業務内容が難しくタスクをこなしていくことが困難で辛くなってしまったり、仕事がうまくいかないストレスから会社を辞めたくなることがあります。
対処法
入社してたった3ヶ月程度で仕事をうまくこなせる人など、ほとんどいません。
はじめは難しいと思っていたことも、実務を積むことでコツを掴み、慣れてくるものです。作業に時間がかかりすぎているなら、効率化を図るため工夫してみたり、難しいことは一人で悩まず先輩に相談することで改善を目指しましょう。そういった積み重ねが、今後の仕事に大きく役立つ時がきます。若いうちに難題にぶつかり、失敗を経験して解決する力をつけておきましょう。
3. 会社の人間関係
仲の良い仲間と過ごした学生生活から一変、様々な人間と一緒に働かなくてはならない会社環境に慣れず悩んでしまう新卒は多いです。
上司が厳しくて怖い、同僚と反りが合わず口論になってしまったなど、会社の人間関係が上手くいかないことが苦痛で辞めてしまいたいという理由です。
対処法
自分と合わない人間を色んな側面から見れるようになりましょう。
『上司が自分に厳しいのは、仕事においての弱点を教えてくれているのではないか』『同僚とそりが合わない部分はあるけれど、尊敬できるところを見つけた』など、多様な価値観を受け入れることで、合わないと感じた人に嫌悪感を抱くことを少なくできます。職場の人間と仲良くなる必要はありませんが、『絆』や『信頼関係』を築くのには時間がかかります。新卒で辞めてしまったら、それを感じることはできないでしょう。
この3つの中に、ジュースさんが辞めたい理由はありましたか?
社会に出れば、自分の思うようにならないことに直面することが多々あります。嫌々の精神ではなく、物事を前向きに捉えてることができたら乗り越えられる試練かもしれません。
ただし一旦立ち止まって考えてみても、鬱々するくらい辛いのなら、辞めてしまうことが懸命です。
新卒で仕事を辞めるメリット
新卒で仕事を辞めるメリットは、『若さ』『将来性』を売りにできることです。
第二新卒枠を狙える
フレッシュな人材『第二新卒』を求めている企業はたくさんあります。
中途採用のようにすぐに即戦力とはなりませんが、新しいことを吸収する力や柔軟な考えは、若さならではの強みではないでしょうか。
ビジネスマナー等の社会人に必要なスキルは既に身についていますので、新人教育のコストが省けるという点も魅力とされています。
スキルや経験がない分、『チャレンジ精神』や『自身の目標』をしっかりアピールできれば、転職活動時の強みになります。
若いうちに軌道修正
ブラック企業へ入社するような『間違い』に気づいたり、新たに挑戦したいことを見つけた時など、早めに方向転換・軌道修正をすることは、貴重な時間を無駄にしないという点もメリットといえるでしょう。
新卒で仕事を辞めるデメリット
まずはじめに、新卒で会社を辞めることは会社に大きな迷惑がかかることを認識しておきましょう。新卒採用や教育には多くの時間とコストが掛かっており、新卒は言わば先行投資をされている状況といえます。入社して間もなく辞めるということは、会社の売上に貢献する前に辞めてしまうということを忘れてはいけません。
忍耐力がないというレッテルを貼られる
転職活動時、人事担当者に『辛いとすぐ辞めちゃうんだ』と判断されて、採用されにくくなることです。新卒約3ヶ月という短期離職をすることは、忍耐力がないというレッテルを貼られる覚悟とそれを払拭するアピール力が必要になります。
経験ゼロ・スキルゼロ
また、企業の求人応募条件には経験年数を重視する会社が多く存在します。再就職したい業界や会社は経験が問われるのか、経験のない『第二新卒枠』はあるのか、確認しておく必要があります。スキルがゼロの状態で、どう転職活動を行うのかきちんと想定しておきましょう。
『会社のブランド』を失う
新卒で入社した会社が大企業・大手だった場合、辞めることによって『会社のブランド』『大手という名の安心感』に甘えられなくなります。今の時代、大企業もいつ倒産するか分からない時代ですから、そのブランド価値が自分のキャリアにとってどれだけ意味があるのかは人それぞれだと思いますが、念頭に置きたいことのひとつです。
会社を知ることなく、成功体験もないまま去るということ
新卒で会社を辞めるということは、その会社の本質を知らぬまま、問題改善など成功体験のないまま去るということです。辞めた後しばらくは、悩み事から解放されて清々しいのですが、『もうちょっと踏ん張っていたら、あのプロジェクトに参加できていたかもしれない』『今ならもっと円滑に仕事ができていたな』と後悔の念に襲われる人が多いのも現状です。
『会社を辞めたい』と思うことは自然なことで、多くの人が頭の片隅で考えていることだと思います。『会社を辞めたい』という気持ちを胸に、転職するために今の会社で経験を積もうとしている人、問題解決に挑んでいる人もいます。ジュースさんも『入社してすぐに辞めたいと思っている自分は、なんて甘いんだ!』と自戒することは止めてください。今後の目標や自身にとっての最善策をじっくりと考えることにシフトしてみましょう。
ジュースさんが、憂鬱な今を乗り越えて充実した毎日を送れますように!