一生懸命ではあるが、理解力や能力が無くてミスが多く、何度も細かなやり方の提案をしているのに、アドバイスを聞かなくて進歩しない同僚に半年以上イライラして疲れてしまいました。
最近は、諦めと怒りが会話の節々に出てしまい、相手も気づいていていけないな…と思っています。
横柄な言い方ですが、頭が悪く、言われたことをその通りにするしか能力が無く、それすら出来ない(マーケティング領域なので多分彼には仕事が高度過ぎる)ことが続き、全て私が尻拭いしたり業務過多だったりします。
ただ、人柄はとても良く、やる気はあり、プライドは必要以上に高いです。
4人で大きなプロジェクトを回さなくてはならない部署で、出来ればいいチームコミュニケーションを取りたいです。
色々ネット検索や本を読み、「長所を見るように」「色々な個性があってチーム」「仕事ができる人は、人のモチベーションアップも出来る」など、意識することは頑張っていますが、毎日仕事の出来なさにイライラする案件が続くので疲れてしまいました。
上司も彼への評価は同じですが、優しいので、「気長に待とうよ」と厳しい指導はせず、私が全て巻き取って業務が滞らない事に甘えています。
どうしたらいいでしょうか。
(相談者:山本)
山本さん、はじめまして。
くよくよRoomにご相談いただき、ありがとうございます。
くよくよRoomアドバイザーの律子です。
仕事ができない同僚にイライラしてしてしまうけど出来ればいいチームコミュニケーションを取りたいという山本さんの想いに強く賛同します。
ネット検索で得た情報やビジネス本などを読んでいると「出来ない・合わないやつに構うな」という傾向が強いなぁと感じています。
状況によってはそうすべき時もあるのでしょうが、私も山本さんと同様に「何とかいいチームにできないかな」と試行錯誤して解決法を考えていきたいです。
なぜなら、チームやグループで何かを成し遂げることって一筋縄ではいかないけれど、やっぱり楽しいしできた時の達成感も半端ないんですよね。
それは仕事だけではなく、スポーツ・音楽・ダンスの世界などにも共通することかもしれないです。
何をやっても上手い人・ミスが多い人・才能がある人・なかなか上達しない人、色々な人が集まりフォローし合って、それぞれの強みを活かしながらよいチーム作りに努めます。
そういうイメージを頭に広げながら、具体的にはどうしたらいいかをお話ししていきますね。
チーム内で負担を分散する
相談文で気になった点があります。
「全て私が尻拭いしたり業務過多だったりします」
「私が全て巻き取って業務が滞らない事に甘えています」
プロジェクトチームは4人体制のはずなのに、山本さんひとりで同僚のフォローをしていますよね。
なぜ山本さんがひとりで同僚の仕事をフォローしなくてはならないのでしょうか。
他のメンバーが上司や先輩で頼みづらいのですか。
山本さんの負担を減らすためにも、同僚のフォローはチーム内で分散し、1人にかかる作業量を軽減すべきだと考えます。
それが上司や先輩であってもメンバーに状況を伝え、作業を分散する提案をすることで、以下のような流れができます。
↓
◆山本さんは1人で抱えるのはやめる
◆どれだけ作業をフォローしているか報告・相談をする
◆プロジェクトチームメンバーに同僚のフォローや作業を振り分け
↓
◆他メンバーは自分の仕事が増えて困ることで、同僚に対して「はやく成長して出来るようになってもらいたい」と今まで以上に強く意識するようになる
↓
◆以前よりもチーム全体が同僚の進捗状況はもちろん、能力・スキルなども把握できる状況に変化する
↓
◆山本さんだけでなく、他メンバーも同僚にアドバイスをする環境ができる
これは理想ですが、山本さんがひとりで同僚のミスの尻拭いや作業のフォローをする必要はないと強く伝えたいのです。
他メンバーに相談をして負担を軽減しましょう。
ミスや出来ないことを分析する
相談文から同僚の特徴を整理してみました。
◎ 人柄がよい
× 理解力がない
× ミスが多い
× アドバイスを聞かない
× プライドが高い
× 言われたことしかできない
× 言われたこともできない
× 仕事内容が彼には難しすぎる
やる気があって人柄いいと、やっぱり何とかしてあげたくなりますよね!
人柄って大事だなぁとしみじみ思いました。
まずはミスが多いということですが、どういうミスが多いのですか。
なぜそのミスは起きたのか、ミスをひとくくりにするのではなく、しっかり分析することが重要です。
完全に理解していないミスなのか。
雑に・適当に作業して発生したミスなのか。
うっかりミスなのか。
◆これを理解していないから間違えるんだ
◆多くのことをいっぺんにできないのでは
◆失敗を恐れて通常なら出来ることもできなくなっている
◆納期に焦り、単純ミスを繰り返している
ミスの要因が分かると解決策・改善策を立てやすくなります。
◆何が苦手分野かはっきり聞く
◆分からない点は早めに相談してほしいと伝える
◆優先順位を決め、一点集中でやってもらう
◆ダブルチェックの体制をつくる
一度、山本さんの作業を同僚にみてもらう方法も有効かもしれません。
昔、先輩の資料作成を見る機会があったのですが、すごく効率のよい方法で作成していて、自分は無駄な動きが多いと気づかされたことがありました。
「このくらいやれるはず」「効率のよい方法なんて自分で勉強してよ」という考えは捨てて、同僚のやり方を見てアドバイスするのも一つの手だと考えます。
同僚には難しすぎる仕事に関してはなるべく細分化するしかないですね。
そして焦って手をつけられない、本当はこの時点で相談すればいいのに聞けない、プライドが高くて「できない」「分からない」が言えないならば、slackなどで気軽に質問ができるワークスペースを作るなど(面と向かって質問しなくてもいい環境づくり)もいいかもしません。
怒ってもいい
山本さんは同僚に対して「諦めと怒りが会話の節々に出てしまい、相手も気づいていていけないな…と思っています」と反省されていましたが、怒ってもいいと思いますよ。
怒っていることを伝えることは大切なことです。
怒っていることを伝えなければ、仕事ができなくても誰かがフォローしてくれる状況にどんどん甘えてしまうからです。
人柄のよさで「すみませーん!ありがとうございます!助かります!」で乗り切り、成長しません。
同僚のプライドを折らない程度に冷静に「なぜ出来なかったのか」「この分はチームでフォローした」「これを間違えるとこのような大変なことが起きる」などを伝えることは仕事の上で当然のことです。
チームの雰囲気が殺伐とするとうまくいくものもいかなくなりますから、同僚との関係性だからこそ言える伝え方でアプローチしてみてください。
山本さん自身もつらくならない伝え方があるはずです。
山本さんの苦手なことは何ですか?
自分には簡単なことでも他人には難しいことがあると考えると、イライラした気持ちを抑えて話すことができます。
同僚に対しこんなにも真剣に向き合って悩み、フォローしていいチームにしたいと頑張る山本さんは、仕事に対しての姿勢が本当に真面目で素敵だなと思います。
真面目すぎるゆえに山本さんが心身ともに疲れてしまわないか心配です。
どうか、他メンバーにもっと頼って、ひとりで仕事と悩みを抱えないでください。
あともうひとつ時間が解決するということを頭の片隅に置いておくと心が軽くなりますよ。
この状況に悩まれて半年とおっしゃっていました。
もしかしたら1年後には、優秀な山本さんは出世し別のプロジェクトを任されるようになっていたり、適材適所で同僚が部署異動になるなどの変化があるかもしれません。
ですから、同僚のことは考えすぎず山本さんは山本さんらしく、今のプロジェクトで活躍してくださいね!
プロジェクトの成功を祈っています。